新世紀の一歩に思う50年後の今

今から50年後というと、2050年後の頃になる。その頃には、今の20歳前後の若人は70歳前後の年齢になるのである。 それぞれの年齢に加算して、その時の世の中のことを、今の時代として考えてみるのである。
恐らく想像がつかないことであろう。

今、70歳以上の人々が、50年前の事を思い返すと、戦争中のこと、戦後の食糧不足の苦労、焼け野が原になった街の姿のことなど様々であろう。
しかし、最も大事なことは、20歳前後の若人が、男女を問わず、国家の目的である戦争のために動員され、幾万という若い生命が失われたことである。そこには自分の意志など出す術もないのである。

敗戦によって日本の社会も大きく変わったのである。
敗戦前後の頃の一般の人が、50年先のことなど考えられる社会情勢ではなかったと思うのである。
自分が生きることだけで背一杯の時代であったということである。

今の時代はどうであろうか。一応自由な考えを持つことができ、努力次第では、ある程度のことはできると思うのである。
今年は、人類歴史の中で大きな節目である、2001年の第一歩の年である。
新しい世紀はどのような世界であらねばならないか。
永遠の世界平和の建設でなければならない。万生館合氣道はその道しるべである。

合氣道開祖植芝盛平翁の御遺訓
「合氣とは愛なり。天地の心を以って我が心とし、
万有愛護の大精神を以って自己の使命を完遂するところこそ武の道であらねばならぬ」

50年後の今、我々があの時に目標とし、毎日唱えていた心が、今、成し遂げられたのだ、と言える日を、今、誓うのだ。

2001年4月11日
万生館合氣道館長 砂泊諴秀

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