昭和41年(1966年)5月21日、熊本県立図書館ホールに於いて、九州学生合氣道連盟結成記念演武会が開催されたのを最初とし、以来、順調にここまで伸びて来た事は、その年々の連盟校各部員が、それぞれの立場に於いて、合氣道に対する情熱と、連盟発展の為に努力された賜と、深く感謝し、嬉しく思う次第です。
20世紀に入って、日本も科学文明への道をひたすらに歩み続けて来ました。その間における大戦争も、それを求める為のものであったでしょう。
日本の戦争から数十年、今や科学文明は一つの大きな壁に行き当たった状態となりました。
なぜでしょうか?科学・文明は人類社会を繁栄させる為のものでなければなりませんが、それがある一部分のものの欲望の為に利用された場合、それは人類の住む社会環境、地球破壊への道につながる事になってしまうのです。そこに行き詰まりが生じたのです。宇宙は天の理に従って動いています、人類もまた、その軌道を外れて生活する訳にはまいりません。それに反逆した場合は、破壊となるのです。その理を覚えることこそ人類永遠の反映の基本であります。
合氣道開祖、植芝盛平翁は、武道の世界に於いてこれを実現し、合氣道を通してそれを我々に教えているのです。「合氣とは愛なり、と言い、又、万有愛護の大精神を以って自己の使命を完遂することこそ武の道である。」と。合氣道に縁を得た我々は、この偉大なる開祖の遺訓を戴いて、肉体を通してこれを端的に悟ることが出来るということは、大変な幸せであります。
若い学生諸君が、合氣道を心身両面から修行され、体得されて、それを社会生活の中に生かされた時、人類世界の真の平和に一歩でも近づく事が出来るのではないでしょうか。
演武会に於いても、単なる技の競演に終わることなく、合氣道を通して、我々青年が、世界平和の実現に、如何に力をつくすべきかを考える、起点にして戴きたいと念願する次第です。